正統史観年表

戦前の外国の行動は すべて自然な流れとして批判せず、日本国内にのみ すべての原因を求める自虐史観。「日本の対応に間違いがなければ すべて うまくいっていた」という妄想が自虐史観。どんなに誠意ある対応をしても相手が「ならず者国家」なら うまくいかない。完璧じゃなかった自虐エンドレスループ洗脳=東京裁判史観=戦勝国史観=植民地教育=戦う気力を抜く教育=団結させない個人主義の洗脳

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経済相互依存は戦争防止に役立たない

第一次世界大戦の数年前に発売されて国際的なベストセラーとなった、
イギリスの経済評論家ノーマン・エンジェルの『大いなる幻想』(1910年)も、
当時の欧米諸国間の貿易と相互投資の急増を描写して、
「経済の相互依存性がこれほど高まった状態で、
諸国が戦争することなど考えられない」と主張した。

当時のヨーロッパにおいて最大規模の経済であったドイツ経済の
約4割(GDPの38%)は、国際貿易によるものであった。
しかもドイツ製品の最大の輸出先は、イギリスであった。

ノーマン・エンジェルが、これほど国際貿易に依存しているドイツが、
最大のお得意先であるイギリスと戦争を始めるわけがない、と主張し、
彼の本を読んだ多くの人々が
「そうだ、戦争はもう時代遅れだ」と納得したのも当然であった。

しかし現実には第一次世界大戦・・・
ヨーロッパ諸国にとって、
第二次世界大戦よりも人口における戦死率が高かった、
悲惨きわまりない大戦争が起きてしまった。

(略)

サミュエル・ハンティントンは、
「諸国間の相互の経済関係拡大が相互理解と
平和を推進するという前提は、歴史的に証明された事実ではない」
と述べている。

(略)

アメリカの国際政治学界の重鎮、ケネス・ウォルツ教授は、
「経済の相互依存性の拡大とグローバリゼーションに
諸国間の平和を促進する効果がない、とは言わない。
しかし、ある国の指導者が開戦の決意をするとき、
商業的な利益と戦略的な考慮と、どちらが重要だろうか。
『開戦によって経済的な利益を失うかもしれない』と考えることと、
『この国を攻撃したら、われわれは核ミサイルによる
報復攻撃を受けるかもしれない』と考えることと、
どちらが戦争防止に役立つだろうか。
核抑止力による戦争防止効果のほうがはるかに大きいことは、
言うまでもないことだ」と述べる。

さらにウォルツは、
「経済の相互依存性がそれほど重要な価値を持つというのなら、
なぜソビエト連邦やユーゴスラビアは、あのようにあっさり分裂し、
崩壊してしまったのだろうか。諸民族のナショナリズムや宗教上の違いが、
経済関係の相互依存性よりも重要な価値であることは、明らかではないか」
と語る。
ウォルツは、諸政府の外交政策の重大な決定要因になるのは、
経済的要素ではなく、軍事的・政治的・民族的要素である場合が多い、
と指摘しているのである。

1972年以降、日本の官僚・親中派の政治家・エコノミスト等は、
「日中の経済関係が密接になれば、日中の相互理解と友好が進むはずだ」
という、マテリアリスト的な前提を疑ってこなかった。

しかし、経済の相互依存関係が進むと相互の嫌悪感が増す、
ということも実際にあるのである。

MITの中国専門家、トーマス・クリステンセン教授は、
「中国人にとって、冷静に計算された経済的効果が、
彼らの『国家の栄光』よりも高い価値を持つとは限らない。
中国人は、経済の相互依存症の拡大よりも、
自らの国家のアイデンティティに高い価値を与えている」と述べている。

チェコ人とスロバキア人は、
密接な経済依存関係にありながら分離してしまった。
スロバキア人は、
「たとえ経済的にはマイナスであっても、チェコ人とは別れたい」
という態度を明らかにしたのである。

旧ユーゴスラビアのクロアチア人・ボスニア人・スロベニア人
・セルビア人・マケドニア人も、同様である。

旧ソ連が崩壊したときも、同様の現象が見られた。
経済的な相互依存関係の増大が友好関係をつくらず、
むしろ相互に対する不快感・嫌悪感を深化させていくことがある、
という例である。

1992年から2006年までの15年間に、日中の経済相互依存は飛躍的に増大した。
いまや中国は、日本経済の最大の貿易パートナーである。

そしてこの期間、中国政府は、
日本をターゲットとする核ミサイルを着々と増産し、
将来の対日潜水艦に備えて海洋調査・海図作成と海軍演習を進め、
国内では徹底的な反日教育を実施して国民の憎日感情を強化し、
世界諸国の政界・学界・言論界において
中国の工作員による反日プロパガンダ活動を拡大してきた。

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『中国の「核」が世界を制す』 伊藤貫 著 P54-57 より引用
2009/04/26 09:00|年表リンク用資料
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